2025.10.17 お知らせ 段ボール 段ボールパレット

段ボール製パレットの試験規格について

INDEX

    パレットの試験は、積載物を保管および運搬するときに、安全に使用できるパレットであることを確認するために行う試験になります。JISでの試験規格はJIS Z0602として規定されています。ただしこの規格は、木製、プラスチック製、金属製などのパレットを前提として規定されており、段ボール製パレットの試験にそのまま使用することが難しい場合があります。そこで、段ボール製パレットの試験はJIS Z0602を参考にしながら、一部変更して実施することが多いです。評価方法もほとんどの場合でJISの方法とは違う方法で行われています。

    パレットの試験はJISで4つの試験方法が定められていますので、それぞれ説明をしていきます。

    1.圧縮試験

    パレットの脚部の強度を測定するための試験です。
    倉庫での保管時などに、積載物の重量によりパレットの脚部が変形して、パレットが使用できなくなるようなことが無いことを確認するために行われます。

    JISでは「上面圧縮用材」という小型の板をパレットの端の桁にかかるように置き、荷重をかけることになっています。この上面圧縮用材には、金属製・木製パレット用と、プラスチック製パレット用の寸法の規格がありますが、紙製パレット用の寸法の規格はありません。そのため、段ボール製パレットの圧縮試験では上面圧縮用材を使用せず、パレット全体、またはその一部を切り出して圧縮することが多いです。

    2.曲げ試験

    パレットのたわみ(荷重によってパレットが変形する度合い)の強度を確認するための試験です。

    試験はJIS試験で定められた方法と同じ荷重のかけ方で行います。
    下面支持用材をパレットの下面両端部にそろえて置き、上面圧縮用材を図のようにパレットの上面に配置します。この状態で、下面支持用材と上面圧縮用材を介して荷重をかけます。下面支持用材と上面圧縮用材の寸法は、JISで規定が定められています。

    3.デッキボード試験

    曲げ試験と似ていますが、パレット全体のたわみを確認する曲げ試験に対して、デッキボード試験はパレットのデッキボード部(パレットの板状部分)のみの強度を確認するための試験です。

    JISでは下面のデッキボードの強度試験を行うことになっていますが、段ボールでは荷物を積載したときにデッキボードの変形がないかを確認するため、通常は上面のデッキボード試験を行っています。荷重のかけ方はJISで定められた方法と同じように行います。
    図のように上面圧縮用材をパレットの上面に配置し、上面圧縮用材を介して荷重をかけます。

    4.落下試験

    段ボール製パレットでは通常落下試験は行われません。
    素材の特性上、落下によってある程度の変形は避けられないことと、繰り返し使用されることが少ないので、耐久性の測定が必要とされる場面も少ないことなどが理由として挙げられます。

    判定基準

    試験時には以下の点を確認し、合否判定はこれらの情報を総合的に判断して決めることになります。

    • 必要強度に達した時点での圧縮量
    • 必要強度に達した時点でのパレットの変形度合い
    • パレットが完全に変形した時点での最大荷重

    当社では開発した段ボール製パレットについて強度計算を行い、必要な場合にはこれらの試験も実施しながら品質確認を行っております。パレット試験のより詳しい内容についてお聞きになられたい場合は当社までお問い合わせください。

    当社段ボールパレット「ナビパレット」についてはこちらをご覧ください。
    段ボールパレット|ナビパレット|強化段ボール包装のナビエース

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