段ボール包装材の試験規格について ―総合編―
物品を段ボール包装材で包装したときに、物品を保護する機能が適切なものかどうか判断する手段として包装材の試験を行うことがあります。今回はいくつかの試験方法と、それを定めた規格についての大まかな説明をいたします。それぞれの詳細についてはまた別のコラムで説明いたします。
なお、以下で説明する試験方法は段ボール包装材に限らず、様々な包装材で適用可能な試験方法です。
JIS
最も一般的な試験方法として、日本工業規格(JIS)で定められた試験方法があります。この中で特によく使用される試験規格について下に記します。
➀JIS Z0200 包装貨物-性能試験方法一般通則
それぞれの試験を行う際の試験の強度を定めた規格になります。内容物の重量、輸送条件、環境条件などの程度により、試験を行う際の数値基準が記載されています。
2023年に規格の改正がありました。詳細は以前のコラム(2023年11月24日付 包装試験に関するJIS規格の改正について)をご覧ください。
➁JIS Z0202 包装貨物-落下試験方法
輸送中や保管中などに包装貨物を誤って落としてしまった際に、内容物が損傷せずに済む包装材であるかどうかを判断するための試験方法です。
➂JIS Z0212 包装貨物及び容器-圧縮試験方法
保管などで包装貨物を段積みしているときに、上に積まれた包装貨物の重さによって下にある包装材がつぶれたりしないかどうかを判断するための試験方法です。
➃JIS Z0232 包装貨物-振動試験方法
包装貨物の輸送中の振動により、内容物が損傷することがないかどうかを判断するための試験方法です。
JISで定められた包装材の試験方法は他にもありますが、主なものは以上になります。
ISTA、ASTM
日本国内の規格でなく、海外の規格で試験を行う場合もあります。主なものにISTA(国際安全輸送協会)の試験規格、ASTM(米国材料試験協会)の試験規格などがあります。
JISでは基本的にそれぞれの試験を単独で実施しますが、ISTAやASTMでは圧縮試験や落下試験などを連続で行うことが一般的です。
これらの試験についての詳細は専門機関にお問い合わせください。
その他
既存の試験規格では計測できないような強度を測定したい場合には、当社独自の試験方法を考案し、実施することもあります。当社より包装材をご購入のお客様には、そのようなこともご相談いただければと思います。
また、パレットの試験方法にもJIS規格があります。そちらについては改めて別のコラムで説明させていただきます。
当社は包装仕様を確定するまでに、製品特性やお客様の要望にお応えした包装試験の実施や試験を経ての対応・対策なども行っています。また、採用後に生じた問題にも対応いたします。
大切な製品を傷つけずに運ぶ為に、必要な耐久性を持った包装仕様の採用をナビゲート致します。
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