物流の未来を担う「改正物流効率化法」とは
~包装改善から始める、荷主が知っておくべき3つのポイント~
物流の持続可能性を確保するため、法律名称が「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)」へと改正されました。この改正により、荷主企業にはこれまで以上の積極的な関与が求められます。
本コラムでは、改正物流効率化法の制度全体を俯瞰したうえで、特に「包装・梱包が果たす役割」に焦点を当てて解説します。
結論から申し上げます。
物流効率化法改正により物流統括管理者(CLO)が任命されます。そこで求められることは、単なる運賃削減ではなく「生産物流から需要家までのトータル物流の最適化」です。その実現において、荷姿の最適化は避けて通れません。荷姿を決める要素、すなわち包装・梱包は、物流効率化を左右する重要な経営要素です。私たちは包装設計のプロフェッショナルとして、法改正に対応した「持続可能な物流体制」の構築を、包装の側面からご支援いたします。
① 全ての荷主に課される「努力義務」
規模を問わず、全ての荷主(発送側・到着側ともに)は、物流効率化のための措置を講じる努力義務があります。具体的には、以下の3つの柱について「判断基準」に基づいた取り組みが求められます。
- 積載効率の向上
包装の軽量化・スリム化や1パレット当たりの積み数の向上により、トラック1車あたりの積載量を最大化することが重要です。 - 荷待ち時間の短縮
出荷・荷受け工程の標準化や事前準備の徹底により、トラック到着から作業開始までの待機時間を削減することが求められます。包装仕様の統一や取り扱いやすい荷姿設計も、こうした取り組みを下支えします。 - 荷役等時間の短縮
従来の木枠梱包は、解体や組み立てに一定の作業時間を要するケースがあります。強化段ボール梱包へ転換することで荷役作業の効率化が図られ、結果として現場全体の作業平準化や待機時間削減につながる可能性があります。
② 一定規模以上の荷主に課される「義務」
年間取扱貨物重量が9万トン以上の荷主は「特定事業者」として指定されます。特定事業者には、以下の事項が義務化されます。
- 中長期計画の作成:中長期的な物流効率化計画を策定し、原則として毎年度提出します。なお、計画内容に大きな変更がない場合は、5年に1度の見直し提出とする運用が想定されています。
- 定期報告:取り組み状況や荷待ち時間等の実態を毎年度報告します。
- 物流統括管理者(CLO)の選任:物流を経営課題として統括する責任者を配置します。
これらに対する取り組みが著しく不十分な場合、勧告や公表、さらには命令や罰則(最大100万円の罰金)の対象となる可能性があります。
③ 物流統括管理者(CLO)の専任基準とその役割
特定事業者の指定を受けた荷主は、物流統括管理者(CLO:Chief Logistics Officer)を選任しなければなりません。
【専任基準】
事業運営上の重要な決定に参画する、役員等の経営幹部から選任する必要があります。
【役割】
物流現場の改善にとどまらず、開発・調達・生産・販売といった社内各部門を横断し、経営視点で物流最適化を推進します。設計・開発段階から「輸送しやすさ」「包装のしやすさ」を考慮した製品づくりも、その重要な役割の一つです。
今回の法改正は、物流を単なる「コスト」ではなく、経営戦略の一部として捉え直すことを荷主企業に求めています。
【ナビエースからのアドバイス】
物流統括管理者(CLO)の視点では、単なる運賃削減ではなく「トータル物流コスト」の最適化が重要となります。私たちは包装設計のプロフェッショナルとして、法改正に対応した持続可能な物流体制の構築を、包装の側面からご支援いたします。