2026.08.17 段ボールパレット

段ボールパレットは輸出に使える?特徴・メリット・注意点と選び方

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    輸出梱包では、貨物を安全に運ぶための強度だけでなく、輸出先国の規制対応、輸送費、荷役作業、現地での開梱・廃棄まで含めてパレットを選ぶことが重要です。

    なかでも段ボールパレットは、軽量で取り扱いやすく、使用後の処理もしやすいことから、輸出用パレットやワンウェイ輸送で使われるケースが増えています。

    段ボールと聞くと簡易的な梱包材をイメージしやすいかもしれませんが、強化段ボールを使ったパレットは、国際輸送でも実際に多く採用されています。ナビエースの段ボールパレット「ナビパレット」は、2024年の年間推定で海外向けに100万枚以上使用されています。

    ただし、段ボールパレットはすべての貨物に無条件で使えるわけではありません。貨物の重量、荷重のかかり方、輸送ルート、保管環境、湿気や水濡れのリスクを確認したうえで、適切な仕様を選ぶことが大切です。

    この記事では、段ボールパレットを輸出に使うメリット、木製・樹脂・金属パレットとの違い、導入時に確認したいポイントをわかりやすく解説します。

    段ボールパレットとは

    段ボールパレットとは、段ボールや強化段ボールを主な材料として作られたパレットです。木製パレットやプラスチックパレットと同じように、貨物を載せてフォークリフトやハンドリフトで荷役・輸送・保管するために使われます。

    一般的なダンボール箱とは異なり、段ボールパレットは荷物を支えるための構造を持っています。貨物の重量、底面の形状、段積みの有無、フォーク差しの方向などに合わせて、必要な耐荷重や補強内容を設計します。

    特に輸出では、パレットを現地から回収しないワンウェイ輸送が多くあります。段ボールパレットは、軽量で取り扱いやすく、使用後の処理もしやすいため、輸出用パレットとして検討しやすい素材です。

    一方で、段ボールは水分や局所的な荷重に注意が必要な素材です。そのため、輸出で使う場合は、単に「使えるかどうか」ではなく、貨物条件と輸送条件に合った仕様になっているかを確認することが大切です。

    輸出で使われるパレットの種類

    輸出に使われるパレットには、主に木製パレット、プラスチックパレット、金属パレット、段ボールパレットがあります。素材ごとに、強度、重量、規制対応、コスト、回収・廃棄のしやすさが異なります。

    木製パレット

    木製パレットは、強度と汎用性が高く、輸出梱包でもよく使われるパレットです。重量物や大型製品にも対応しやすく、現場で扱い慣れている企業も多い素材です。

    一方、輸出では木材梱包材規制への対応が必要になる場合があります。仕向地によっては、熱処理や燻蒸処理、IPPCマーク、書類との整合確認が必要です。ISPM No.15は、国際輸送で使われる木材梱包材を対象とした植物検疫上の基準で、木材または木製品を対象とし、紙製品は対象から除かれます。

    また、木製パレットは比較的重く、ささくれ、釘、破損、汚れなどの管理も必要です。強度がある反面、輸出では「規制対応」と「品質管理」の手間を見込んでおく必要があります。

    プラスチックパレット

    プラスチックパレットは、耐水性や耐久性があり、寸法や品質が安定しやすいパレットです。洗浄しやすいため、工場間の通い箱・通いパレットや、繰り返し使用する物流に向いています。

    ただし、輸出でワンウェイ利用する場合は、パレット単価や回収運用が課題になります。現地で回収できない場合、パレットがそのままコストになり、返送や保管の管理も必要になります。

    また、EU向けの出荷では、包装・包装廃棄物規則であるPPWRの動向にも注意が必要です。PPWRは包装全般を対象に、リサイクル性、再利用、包装削減などを求める規則で、2025年2月に発効し、原則として2026年8月から適用が始まります。
    プラスチックパレットを含む輸送用包装をEU向けに使う場合は、取引先の要求や最新の規制対応を確認しておくと安心です。

    金属パレット

    金属パレットは、高強度で耐久性があり、重量物や特殊な搬送条件に向いています。高頻度で繰り返し使う循環物流では有効な場合があります。

    一方で、パレット自体が重くなりやすく、輸出では運賃や荷役作業に影響する場合があります。初期コストも高くなりやすいため、ワンウェイ輸出よりも、回収前提の用途や特殊条件のある輸送で検討されることが多い素材です。

    段ボールパレット

    段ボールパレットは、軽量で取り扱いやすく、ワンウェイ輸送に向いたパレットです。紙製の梱包材として分別しやすく、現地での処理負担を抑えやすい点もメリットです。

    日本国内では段ボールの回収率が高く、段ボールリサイクル協議会の2024年度実績では回収率97.8%となっています。

    ただし、湿気、水濡れ、局所荷重、フォーク差し込み時の破損には注意が必要です。貨物条件に合わせて、強度・耐湿性・荷役条件・荷姿を設計することが重要です。

    段ボールパレットを輸出に使うメリット

    木材梱包材規制への対応を避けやすい

    輸出で木製パレットを使う場合、仕向地によってはISPM No.15に基づく熱処理、燻蒸処理、IPPCマーク表示が必要になる場合があります。対応に不備があると、通関時の確認や出荷遅延につながるおそれがあるため、木製パレットを使う場合は事前確認が欠かせません。

    段ボールパレットは紙製の梱包材であり、木材を使用しない仕様であれば、木材梱包材に求められる処理や表示の対象外になりやすい資材です。処理済み木製パレットの手配や、マーキング・書類確認の手間を抑えやすい点は、輸出実務における大きなメリットです。

    ただし、段ボールパレットを使っていても、梱包の一部に木材を使う場合や、取引先が独自の梱包基準を持っている場合は確認が必要です。輸出先国や取引先の梱包仕様書は、出荷前に確認しておきましょう。

    軽量で輸送効率を見直しやすい

    段ボールパレットは、木製パレットや金属パレットに比べて軽量にしやすい素材です。パレット自体が軽くなることで、荷役作業の負担を減らしやすく、貨物条件によっては輸送効率の改善につながる場合があります。

    特に航空貨物では、実重量と容積重量を比較し、大きい方を運賃計算に使う考え方が一般的です。容積重量は、縦cm×横cm×高さcm÷6,000で計算する方法が広く使われています。

    そのため、パレットの重量やサイズは、輸送コストに影響することがあります。ただし、運賃は輸送モード、ルート、契約条件、容積にも左右されるため、軽量化すれば必ずコスト削減できるとは限りません。

    重要なのは、必要な強度を確保したうえで、過剰な重量や過剰な梱包を避けることです。段ボールパレットは、強度と軽量化のバランスを取りながら設計しやすい点が特長です。

    ワンウェイ輸送に向いている

    輸出では、パレットを現地から回収しないケースが多くあります。プラスチックパレットや金属パレットは繰り返し使用できる反面、回収できない場合は資材コストが大きくなります。

    段ボールパレットは、回収を前提にしないワンウェイ輸送と相性が良いパレットです。輸出後に現地で分解・圧縮・分別しやすく、受け取り側の処理負担を抑えやすい場合があります。

    特に、海外向けのスポット出荷、海外拠点への部品輸送、輸出用の製品梱包などでは、パレットを返送するよりも、現地で処理しやすい資材を選ぶ方が合理的なことがあります。

    ただし、ワンウェイ輸送では、現地の廃棄ルールや分別基準に合っているかを確認しておくことが重要です。テープ、フィルム、バンド、滑り止め材などを使う場合は、異素材の分別方法も含めて確認しておくと運用しやすくなります。

    現地での開梱・廃棄負担を抑えやすい

    輸出梱包では、出荷する側だけでなく、受け取る側の作業性も大切です。開梱に時間がかかる、廃棄物が多い、分別しにくい梱包は、現地側の負担になります。

    段ボールパレットは比較的軽く、紙製資材として分別しやすいため、現地での処理を簡単にしやすい素材です。木箱や木枠、樹脂パレットと比べて、開梱後の処理がしやすい場合があります。

    輸出では、到着後にすぐ製品を使う、現地倉庫で保管する、取引先が梱包材を処理するなど、受け取り側の作業もさまざまです。段ボールパレットは、こうした現地オペレーションまで含めて選びやすい資材です。

    段ボールパレットを輸出に使う際の注意点

    湿気・水濡れ・結露に注意する

    段ボールは水分を含むと強度が低下しやすい素材です。輸出では、海上輸送中の温湿度変化、コンテナ内の結露、港湾倉庫での保管、屋外荷役時の雨などを想定する必要があります。

    特に海上輸送では、輸送期間が長く、温湿度の変化も大きくなりやすいため、出荷時の強度だけでなく、到着時に必要な強度が残るかを考えることが大切です。

    湿気対策は、貨物の性質、輸送ルート、保管条件によって変わります。段ボールパレットを使う場合は、輸送環境を確認したうえで、耐湿性や保管方法を含めて仕様を決めることが重要です。

    局所荷重に注意する

    段ボールパレットでは、荷重が一点に集中すると、天面のへこみや潰れにつながる場合があります。特に、貨物の脚部や角部が細い場合、荷重が面ではなく点でかかりやすくなります。

    このような場合は、荷重を分散させる設計や、貨物の底面形状に合わせた補強が必要です。カタログ上の耐荷重だけで判断せず、実際の荷姿、重量バランス、固定方法を含めて確認することが重要です。

    重量物や大型装置、精密機器を載せる場合は、パレット単体の強度だけでなく、製品の底面、梱包材、固定方法、段積み条件まで含めて検討します。

    フォーク差し込み時の破損に注意する

    輸出貨物は、国内輸送に比べて積み替え回数が多くなることがあります。フォークリフトやハンドリフトでの差し込み時に、入口部へ負荷がかかると、段ボールパレットが破損する可能性があります。

    そのため、フォークの差し込み方向、入口の高さ、補強の有無、2方差し・4方差しのどちらにするかを事前に決めておくことが大切です。

    作業現場で迷いにくい構造にすることも重要です。表示やラベルに頼るだけでなく、実際の作業者が扱いやすい形状にすることで、破損リスクを減らしやすくなります。

    すべての貨物に適しているわけではない

    段ボールパレットは、軽量で処理しやすい一方で、すべての輸出貨物に適しているわけではありません。

    たとえば、極端な重量物、長期屋外保管が想定される貨物、水濡れの可能性が高い輸送、局所荷重が大きい貨物では、木製パレット、プラスチックパレット、金属パレットの方が適している場合もあります。

    段ボールパレットを検討する際は、価格や廃棄性だけでなく、輸送中の安全性、破損リスク、現地での扱いやすさを含めて判断することが大切です。

    輸出用段ボールパレットを選ぶときのポイント

    貨物重量と荷重のかかり方を確認する

    まず確認したいのは、貨物の重量です。ただし、総重量だけでは不十分です。

    荷重がパレット全体に均等にかかるのか、脚部や角部に集中するのかによって、必要な強度や補強内容は変わります。貨物の底面形状、重心、固定方法まで含めて確認します。

    輸送モードを確認する

    海上輸送、航空輸送、陸上輸送では、パレットに求められる条件が異なります。

    海上輸送では、輸送期間が長く、温湿度変化や結露を考慮する必要があります。航空輸送では、重量や容積が運賃に影響しやすく、軽量化のメリットが出る場合があります。陸上輸送では、積み替えやフォークリフト作業の回数を確認しておくことが重要です。

    2方差し・4方差しを決める

    パレットには、フォークを差し込める方向によって2方差しと4方差しがあります。

    4方差しは作業の自由度が高く、倉庫や物流現場で扱いやすい場合があります。一方で、構造が複雑になりやすく、強度やコストとのバランスを考える必要があります。

    作業動線が決まっている場合は、2方差しで十分な場合もあります。フォークリフト、ハンドリフト、パレットジャッキ、台車など、使用する荷役機器に合わせて選びましょう。

    段積み・保管条件を確認する

    段積みをする場合、下段のパレットには長時間荷重がかかります。段積み段数、保管期間、保管場所、温湿度条件を事前に確認しておくことが重要です。

    短期間の一時保管なのか、港や現地倉庫で数週間保管される可能性があるのかによって、必要な安全率は変わります。輸出では予定外の滞留が発生することもあるため、余裕を持った仕様検討が必要です。

    現地での廃棄・リサイクル方法を確認する

    段ボールパレットは、使用後の処理がしやすい点がメリットです。ただし、廃棄・リサイクルのルールは国や地域、取引先によって異なります。

    現地で段ボールとして回収できるのか、分別が必要なのか、フィルムやバンドなどの異素材を外す必要があるのかを確認しておきましょう。

    輸出では、出荷側の都合だけでなく、受け取る側の作業や廃棄ルールまで考えることが、継続運用につながります。

    段ボールパレットが向いている輸出案件

    段ボールパレットは、次のような輸出案件で検討しやすいパレットです。

    • パレットを現地から回収しないワンウェイ輸送
    • 木製パレットの燻蒸処理・熱処理・表示管理を避けたい輸出
    • パレット重量を軽くしたい国際輸送
    • 現地での開梱・廃棄負担を減らしたい案件
    • 環境配慮やリサイクル性を重視する輸出
    • 貨物条件に合わせてパレット寸法や仕様を調整したい案件
    • 木箱や木枠梱包から、より軽量な梱包資材への切り替えを検討している案件

    一方で、長期の屋外保管、水濡れの可能性が高い輸送、極端な重量物、局所荷重が大きい貨物では、別素材のパレットや追加対策を含めて検討する必要があります。

    まとめ

    段ボールパレットは、輸出やワンウェイ輸送で検討しやすいパレットです。軽量で取り扱いやすく、木材を使わない仕様であれば、木製パレットで必要になる場合がある燻蒸処理・熱処理への対応を避けやすい点がメリットです。

    また、紙製の梱包材として現地で分別・リサイクルしやすく、開梱後の処理負担を抑えやすい点も、輸出梱包では大きな利点になります。

    一方で、段ボールパレットは湿気、水濡れ、局所荷重、フォーク差し込み時の破損に注意が必要です。貨物重量、荷姿、輸送ルート、保管条件、荷役方法を確認したうえで、適切な仕様を選ぶことが重要です。

    ナビエースでは、強化段ボール製パレット「ナビパレット」をはじめ、貨物のサイズ・重量・輸送条件に合わせた包装設計をご提案しています。木製パレットからの切り替え、ワンウェイ輸送、輸出用パレットの軽量化、現地での処理負担に課題がある場合は、輸出条件に合わせた段ボールパレットをご検討ください。

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